2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

いまさらなんの役に立つのか?

毒人参が準備されるあいだ、ソクラテスはフルートでひとつの曲を練習していた。『いまさらなんの役に立つのか?』とある人が尋ねた。答えは『死ぬまでにこの曲を習いたいのだ』 ––––シオラン

無題

まだ心づもりの定まらない時分、いや既に心は決まっていたかもしれない。もうやめにしよう。社会運動が役ではない。他に往く道があり、その道は険しい。と、片肘をつき手を頬に宛ててぼんやりと眠たげに耽っていた。雨降りならより強く感じられたであろう古…

化物たちの共同体

人間というものは、自分自身の秘められた真実にとりつかれていて自分の中で育ちその人間を化物のようにしてきた。互いに化物のように見えるが、そう見る本人もまた実はやはり内に秘められた自分だけにしか通じない(すくなくともそう思いこんできた)ところ…

Visio Dei

主よ、あなたが私を慈愛のまなざしで見つめてくださっているのですから、あなたの観ることは、私によってあなたが観られること以外の何でありましょうか。あなたは私を観ながら、隠れたる神であるあなたを私によって観させるために〔あなたを私に〕お贈りく…

これはすごいことだ。

すこしずつ

諸々の制度が生の現象であることを忘れてはならない。 法への問いが適切に立てられなければ、生きていることに言及しても月並みなものとなるだろう。だが、わたしたちの時代にあって、法への問いはかくも不適切にさし向けられている。砕けて、こう言ってみよ…