冬の夜の息に凝結してゆっくりと降りかかる霜の様を眺めるとき、わたしを宥めるのは誰か。視界が悪いと言えるのは、まだ見るべき対象までの間隙を痛々しい物質感で刺されるような経験がないひとの不満なのだろう。ジョギングをしていて、不意にすぐ先の闇に…
揺れる画面に夜が霞む。街灯も、ここではめったに見ない。夕焼けも、晴天も、恋もない。親指を上下に、左右に滑らせて、わたしの輪郭を探すように淫らに。ゆめゆめ忘れてはいけないよ、あなたはいま、生きている。光るガラスに貼り付けられていて。幸福も、…
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