2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

天才についての駄文

天才は自然それ自体を引き写しているようにみえる。 かれらはまるでかれら自身が自然であるかのように、自らが原因であり、自らに自足している。自然と同じく、自らを自覚しないままに。 最初の天才の形象はルネサンス期に、レオナルド・ダ・ヴィンチに求め…

上機嫌な客

暖かい白いふくらみが 呼吸する公園の縁を濡らす 燃える銀の球体から 黄泉の乾燥が吹き出す それから 新しい遊びを覚えた幼子は 三度首を傾げる それから神仏の瞬きの間に 速度を背中の寒さに感覚すれば 手を振って歩ける 足を持って地を孕む 中央にひとりの…

指折りの陽

忘れられた蝕 この掌の影に隠された太陽は 陽に照らされた二人を 取り返しがつかなくなる 欠けたルーペ 遠く光る海から 海洋哺乳類たちの甲高い声が ニンフの歌う歌の急流となって 降り注ぎ 蜜を、舌の奥へ残す 踝から頭蓋を巡る あなたの血液 いま蒸発して …

ふと。

www.youtube.com 戦時下、黙してただ内へ閉じこもっていた人らは卑怯者だと思う。では、今は?

Non motivé 4

www.youtube.com * * * 月が雲にかかり光の縞をつくっていた。川を跨ぐ高架線は向こう岸の街に立つ高層マンションへと伸びている。視界を遮るビルはそれひとつだけで、昼なら郊外の風景だが、夜になれば、街の灯が星のように飛び散ってひかり秋の土手の夜…