指折りの陽

忘れられた蝕

この掌の影に隠された太陽は

陽に照らされた二人を

取り返しがつかなくなる

欠けたルーペ

遠く光る海から

海洋哺乳類たちの甲高い声が

ニンフの歌う歌の急流となって

降り注ぎ

蜜を、舌の奥へ残す

踝から頭蓋を巡る

あなたの血液

いま蒸発して

中空に墓を穿つ