2020-10-25 指折りの陽 忘れられた蝕 この掌の影に隠された太陽は 陽に照らされた二人を 取り返しがつかなくなる 欠けたルーペ 遠く光る海から 海洋哺乳類たちの甲高い声が ニンフの歌う歌の急流となって 降り注ぎ 蜜を、舌の奥へ残す 踝から頭蓋を巡る あなたの血液 いま蒸発して 中空に墓を穿つ